初日記。

2002年11月15日
僕は車で出かけるのが好きだ。
家には自分の部屋がない。車内だと自分一人だけの時間を過ごせるから何かと理由をつけて僕は車を乗りまわす。
車はいい。車だとわずらわしい人の目を気にすることもないし、車の中から逆に人を思う存分、人の目を憚ることなく観察できる。
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今、腹が減ったからカップラーメン食ってた。
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駅前のパチンコ屋の手前にある信号が赤になったのでブレーキを踏んだ。
パチンコ屋の店員だかバイトだかは知らないが、制服を着た女の人が店の前をほうきで掃いたり、屈んでゴミを拾ったりしていた。
こちらに尻を向けて屈むので、ミニスカートから伸びるすらりとした脚線がやけに眩しい。
と、後ろから軽く二度、クラクションを鳴らされた。
僕は女の人に見とれていて、信号が青に変わったのに気づかなかった。
後ろ髪を引かれる思いだったが、僕は慌てて車を発進させた。
青信号で進まない僕が悪いのは分かっていたし、クラクションの鳴らし方も優しかったが、それでもクラクションの音というのは何故か癇に障る音だ。
そういうわけで僕は少し腹を立て、どんな奴が車を運転してるのかと思い、ルームミラーを覗きこんだ。
すると車は後方10メートルあたりをのろのろと、今まさに発進したという感じでこちらに向かってくる。
僕と同じ瞬間に車を発進させたにしては、やけに車間距離がひらいている。しかもクラクションを鳴らすほど気が急いてたくせに、だ。
・・・おそらくクラクションを鳴らした奴も彼女に見とれていたに違いない。
なにしろ脚線美だけならまだしも、実はスカートが短いおかげで下着が見えていたのだ。黒い下着が。

なぜ僕が車を発進できなかったのか、後ろの車の奴もその理由がわかったに違いないと思い、少しは僕の気持ちが理解できただろ、クラクションを鳴らして悪かったと思うだろう、と勝手に思い込み、僕は意気揚揚と家路についた。

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